マイクロバブルで池の浄化を(アオコ・悪臭・藻類発生抑制および改善)

グラナの浄化効果をご紹介

浄化実証事例


撮影日:2008年8月29日
平成21 年度史跡三原城跡濠水質浄化・維持業務委託における
水質改善に関する報告書
1.検査の概要
  1. 装置設置水域 三原城跡北濠(水量:約320t・水深:約160p)
  2. 比較水域 三原城跡南濠(水量:約210t・水深:約120p)
  3. 分析項目
    • PH,COD,全窒素(T-N),全リン(T-P)比較
    • 透明度,外観(色)目視比較検査
  4. 検証期間 平成20 年8 月29 日(設置日)〜 平成21 年9 月30 日までの約1年間。
  5. 使用機器 UTK式微細気泡対流・攪拌装置
    「グラナ」KT-U型付属ブロワ装置KT-BT型各1機(出力0.5kw)
  6. 検査内容 水質検査は装置稼働7 カ月後の平成21 年3 月25 日と水質 が悪化する水温上昇期の6 月30 日および9 月30 日の濠の水を北濠(実験区)南濠(対照区)それぞれで採取し (株)大阪環境センターで分析を行った結果を元に北濠(実験区)と南濠(対照区)を比較。
  7. 調査立会 三原市教育委員会
2.検査対象水域の環境と水質障害
  1. 北濠・南濠の水は境界となる歩道下の細い配管でつながっている為、基本的には同一環境、同一水域であり、準閉鎖的水域の形状と考えます。
  2. 水位は城跡を囲む外濠の水位に連動しているとのことで、外濠の水と地下水で水系が繋がっていると判断されます。従って、流入水は外濠の水及び雨水と考えられます。
  3. 双方の濠ともに鯉が放流されており、住民が時折餌を与える事があります。
  4. 例年、気温上昇期にアオコの発生、透明度の低下、臭気の発生などの水質障害が起こる状態です。
上記4 点を前提に分析、考察いたします。


水質等調査結果

水質等調査結果グラフ

3.考 察
(1) 透明度
装置を稼働させて7カ月が経過した平成21 年3 月25 日に、寺西係長様に立 会いをいただき透明度の測定を行いました。グラナを設置している北濠(実験 区)は水面より70cm 下まで見え、一方、設置していない南濠(対照区)は60cm とその差は10cm でした。この時期はまだ低水温時期にあたるため、それほど大 きな差が付かなかったものと思われます。

その後、水温上昇期となる平成21 年6 月30 日に測定した時は北濠(実験区) が65cm、南濠(対照区)が40cm と透明度に25cm の差を確認しました。

平成21 年9 月30 日の最終確認日には北濠(実験区)が70cm、南濠(対照区) は30cm とその差40cm と大きな差異を確認できました。濠横の歩道から単純に 濠を覗いて比べてみても、明らかに北濠(実験区)の水の透明度が南濠(対照 区)に比べて高いことが判かりました。平成21 年9 月30 日採取したそれぞれ の水をペットボトルに入れて外観(色)比較を行いました。(写真「透明度及び 外観(色)検査A」)をご確認ください。緑色が明確に相違していることが判か ります。

この差は植物プランクトンの発生量の差であり、グラナを稼働させている北 濠(実験区)の植物プランクトンの量が南濠(対照区)よりはるかに少なくな っていることを意味しています。

すなわち、グラナを稼動させたことで濠内の貧酸素化が改善され、濠内に従 来より生息している微生物の働きが活発化し、植物プランクトン発生の原因と なる有機栄養源を分解したことが、今回の透明度の差として現れています。 濠底有機汚泥の分解も促進していることも伺えます。

文字通り、互いの濠は同一環境、同一対象水であることから改善効果は明ら かに装置「グラナ」によると考えます。

(2) PH
平成21 年3 月25 日のPHは北濠(実験区)が7.8 、南濠(対照区)が7.9 とほぼ同一の数値となっています。

平成21 年6 月30 日には北濠(実験区)は8.1 、南濠(対照区)は8.9 と南 濠の方がよりアルカリ傾向となりました。

平成21 年9 月30 日には北濠(実験区)が7.7 、南濠(対照区)は8.5 と南 濠はアルカリ傾向に改善はなく、北濠(実験区)は中性傾向へと改善していま す。

一般的に植物プランクトンが増殖すれば水質はアルカリ傾向値になることが 知られており、北濠(実験区)は植物プランクトンを抑制したことで、水質が 良好となり中性傾向に改善したと考えます。

(3) COD
平成21 年3 月25 日のCOD値は、北濠(実験区)が10 、南濠(対照区) が12 と少し北濠(実験区)が良い数値となっています。

平成21 年6 月30 日には北濠(実験区)が9.4 、南濠(対照区)が21 と変 化しており、北濠(実験区)は改善傾向に、南濠(対照区)は大幅な悪化傾向 となっています。

平成21 年9 月30 日に於いては、北濠(実験区)が6.2 、南濠(対照区)が 26 となりました。

北濠(実験区)は大幅な改善傾向となり、南濠(対照区)は大幅に悪化傾向 を示しています。

COD値は有機的な汚濁や植物プランクトンの増殖で高い値を示します。こ のことから判断しても、北濠(実験区)は南濠(対照区)と比べて、有機物を 分解し、植物プランクトンを抑制することで、水質を極めて良好に改善したと 考えます。

(4) 全窒素(T-N)
平成21 年3 月25 日の全窒素値は、北濠(実験区)が1.5 、南濠(対照区) が1.1 と若干北濠(実験区)高い数値となっています。

平成21 年6 月30 日には北濠(実験区)が1.2 、南濠(対照区)は1.7 と北 濠(実験区)が幾分改善傾向となりました。

21 年9 月30 日には、北濠(実験区)が1.0 、南濠(対照区)が2.2 となり ました。北濠(実験区)は大きく改善した数値を示しており、一方の南濠(対 照区)はますます悪化傾向となり高い数値となっています。

グラナを設置した北濠(実験区)は植物プランクトンや透明度阻害の要因と なる窒素を分解、解消することで水質を良化させる結果となりました。

(5) 全リン(T-P)
平成21 年3 月25 日の全リン値は、北濠(実験区)が0.17 、南濠(対照区) が0.17 と同数値となっています。

平成21 年6 月30 日には北濠(実験区)が0.68 、南濠(対照区)が0.48 と 北濠(実験区)が高い数値となっています。

平成21 年9 月30 日には、北濠(実験区)0.14 、南濠(対照区)が0.63 と 南濠(対照区)は高数値となり、北濠(実験区)は大幅に改善した数値となっ ています。

リンは比重が重い為、汚泥に含まれる場合が多く、汚泥が嫌気的(酸欠)に なると水中に溶出する特性があります。
従って、北濠(実験区)の汚泥は好気的(酸素溶存)となることで、リンの 溶出を防いでいる、若しくは分解解消していると判断されます。

このことにから考察しますと、植物プランクトン増殖や透明度阻害の要因と なる窒素と同様、リンも北濠(実験区)では改善し水質を良化させる結果とな りました。

ペアシティ三原

水質比較

4.まとめ

北濠の水質は設置していない南濠と比べて極めて大きな差異がでました。 北濠(実験区)は透明度、PH、COD、全窒素、全リンの全ての項目におい て水質が改善され、且つその水質を維持している事が確認されました。

特に、平成21 年9 月30 日に検査した北濠(実験区)の水質は良好な農業用 水の基準値にほぼ合致していることは特筆すべきと考えます。装置稼働後約1 年間で大幅に水質が改善、維持された結果となりました。

さらに、実験期間中悪臭は感じられなかったとお聞きしています。

反面、南濠(対照区)は水質悪化の一途を辿っており、年々汚濁が強まると 予想されますので、常態的な悪臭発生の可能性があります。

ところで、この間ずっと発生していなかったアオコが本年9 月初旬の1 週間 だけ北濠(実験区)で発生したとのことですが、このことは、グラナの微細気 泡の噴出投入により濠の貧酸素が解消されることで、活動が活発化した好気性 微生物が濠底の汚泥(ヘドロ)を軟化させ、北濠の汚泥(ヘドロ)に含まれる 窒素酸化物ほかの有機栄養源を分解して水中に溶出させたものと考えます。
その際、浮遊する栄養源を得て、一時的にアオコが発生することがあります のでこの現象が現れたものと考えています。 この現象から鑑みて、汚泥(ヘドロ)内の有機物が分解、解消し底質の改善 が図られていると判断されます。

今しばらく時間を要すると思われますが、グラナを継続的に稼動させること で、確実に濠底の汚泥(ヘドロ)を分解、解消させ、水質の改善が図れること を今回の試用実験で明確に出来たと考えています。

三原城跡水質改善報告書



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